秋のアンチエイジング食材として人気の梨(なし)には、どのような栄養成分や効果・効能や働きがあるのかをまとめています。
また梨(なし)の栄養の魅力のほか、種類・品種についてや歴史などの豆知識もお伝えしています。
秋のアンチエイジング食材!梨(なし)の魅力
自然界では猛暑、酷暑から少しずつ気温が下がり、過ごしやすい季節になりましたね。
次第に空気の乾燥が気になる実りの秋へと移っていきます。
同じ自然界に生きる私たちの体や肌も乾燥を感じやすく、また年齢とともに体調の変化も起こりやすくなりますね。
そんな季節の変わり目におすすめの食べものが「梨(なし)」です。
バラ科に属する梨(なし)は、シャリシャリとした食感やみずみずしさ、花のような豊な香りなどの特徴から、老若男女問わず大好物な人も多いですね。
そんな梨(なし)の歴史や品種などを知っておくと、また違った味わいが楽しめることでしょう。
梨(なし)の歴史と伝来
梨(なし)は原産地の中国から東西へ広がっていったとされています。
西はヨーロッパ・フランスへ伝わり、後にラ・フランスを代表とする高価な西洋梨になりました。
東の日本には奈良時代に伝来し、当時の持統天皇がクリやカブとともに梨(なし)の栽培を奨励したエピソードが日本書紀に記されています。
鎌倉時代には常食果物として定着し、その後、江戸時代に入ると次々と品種改良が進められたそうです。
このことから、梨(なし)が如何に日本の気候や風土に適しているか、栽培しやすいかが伺えますね。
梨(なし)の種類・品種について
出回り時期による梨(なし)の代表的な品種をご紹介しましょう。
幸水
最も早い7月頃から出回る早生種は、果汁たっぷりで根強い人気を誇る「幸水」です。
豊水・二十世紀
次に、9月頃から出回る品種は「豊水」や「二十世紀」という中生種。中でも豊水は、甘味と酸味のバランスや香りも芳醇で梨(なし)の主力品種になっています。
また、珍しい名前がついた二十世紀は「にじっせいき」と読み、産地が少ない貴重な品種です。
新高・にっこり
最後に、10月頃から出回る品種は、大きさがひときわ目立つ「新高」や「にっこり」という晩生種です。
貯蔵技術の発達により年明けまで出回る梨(なし)は、実は、ロングセラーの果物なのです。
梨(なし)の栄養とアンチエイジングの効果効能
主成分はほとんど水分しかないと思われている梨(なし)ですが、体にもたらす影響は意外なほど大きいのです。
薬膳の教えによれば、自然界が乾燥する秋は、私たち人の体や肌も同じように乾燥すると考えられています。
体にこもった余分な熱を取りながら、外的環境との入り口に当たる喉や肺を潤すことで、体の内側から外側の肌に至るまで、代謝を促し活性化させる働きがあるといわれています。
夏のダメージが残る体や肌をしっかりとリセットできる優秀な食べ物なのです。
そんな優れた働きをひとつずつ見ていきましょう。
疲労回復
アスパラギン酸、リンゴ酸といった有機酸が酸化(疲れ)に傾いた体を克服してくれます。
便秘解消
第6の栄養素として知られる食物繊維は、別名ダイエットファイバーとも呼ばれ、消化吸収されず空腹感を満たすことができるほか、整腸作用によって腸内環境を整えてくれます。
解毒排泄
お酒を解毒させ、飲みすぎや二日酔いによる体調を整えながら、老廃物を排泄してくれます。薬膳ではこういったお酒にまつわる諸症状を水毒といい、梨(なし)は緩和する働きを持っていると考えられています。
美肌
必要な水分やリンパ液などの体液を補い、表皮に届く潤いを与えてくれます。
まとめ
古い時代から各地で栽培が促進され、親しまれてきた日本梨。
日本の気候や風土に合うということは、私たちの体にも合うということを意味しています。
そして、旬のものを食べることは、それが一番体に必要なこと、言い方を変えれば、体が欲していることになるでしょう。
健康や美容、アンチエイジングに最適な食べものといえますね。
当たり前のようですが、改めてそんなことを感じながら、秋の味覚「梨(なし)」を楽しんで、体と肌をたっぷり潤していきましょう。